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財産分与で住宅ローンがある場合の進め方

2016/09/05

住宅ローン

離婚の際に財産分与をする場合、住宅ローンがネックとなることがしばしばあります。

住宅ローンやオーバーローンの場合に、財産分与はどのような考え方で進めていけばよいのだろうか?あるいは現金が少ない場合はどのように財産分与をするべきなのだろうか?などのことについて考えていきたいと思います。

財産分与の基本的な考え方は?

夫婦の共同の財産のうち、プラス財産をすべて通算して加算し、そこからマイナス財産を減算した結果、プラスであればこれを2分の1ルールに基づいて算定することになります。

プラスになれば良いのですが、住宅ローンなどのマイナス財産があり、結果がマイナスになれば、住宅ローンの対象不動産の価値がゼロになると考えられており、この場合には、財産分与請求権は発生しないのが原則となります。

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住宅ローンの残額よりも対象不動産の価値が高い場合は?

財産分与の対象となる不動産に住宅ローンが残っている場合、その不動産の本来の価額から住宅ローン残額を差し引いた金額が、その不動産の価値であると考えます。

たとえその不動産を売却したとしても、その代金から優先的に住宅ローンの返済にあてられることから、住宅ローンの残っている部分についてはいまだ自分たちの財産になっていないと考えるのです。

そうすると、財産分与の割合(夫婦それぞれの貢献度)が5対5の通常のケースにおいては、不動産を第三者に売却する場合には、その売却代金を売却費用と住宅ローンの返済に充て、夫婦がその残額を2分の1ずつ取得します。

これに対して夫婦のいずれかが不動産を取得する場合には、住宅ローンの残額を差し引いた金額の2分の1を相手方に支払い、その後はその不動産を取得した者が自分の財産から住宅ローンを返済していくことになるのが通常です。

なお財産分与によって住宅ローンの負担者が変わったとしても、金融機関の同意を得て債務者変更の手続きをしない限り、離婚した夫婦間の変更にすぎないのであって、離婚した相手方に対しては「自分には住宅ローンを支払う義務はない。」と主張することができるのですが、債権者である金融機関などに対しては「住宅ローンの負担者を変更したので、自分には住宅ローンの返済義務はない」と主張することはできないことに注意しなければなりません。

住宅ローンの残額より不動産の価値が低い(いわゆるオーバーローン)場合は?

すでに述べた原則によれば、対象不動産の本来の価額が住宅ローンの残額を差し引いた金額がマイナスになるため、このような不動産の価値はゼロであると考えられています(東京地裁平成15年3月27日判決など)。

そうすると、オーバーローンの対象不動産は財産分与の対象とならないことになります。またその不動産が財産分与の対象とならないとしても、住宅ローンを財産分与の対象とすることができるのだろうかという問題あります。

住宅ローンは夫婦が共同生活をするために借りたものでありますから、離婚して夫婦の共有財産を清算する以上は、住宅ローンの負担を分担するということもあり得るのではではないかとも思われます。

しかしながら、財産分与の手続きにおいては、裁判所が住宅ローンなどの債務の分担を命じることはできないと、いう考え方が一般的となっているのです。

オーバーローン不動産の処理方法については?

まず調停段階で話し合いがまとまった場合には、調停調書にオーバーローン不動産をも含めた形の条項を入れることによって、後々の紛争を回避することが重要です。

また裁判に至ったとしても、和解が成立した場合には、同じく和解調書にオーバーローン不動産を含める条項を入れることによって解決を図ることが妥当であると言えます。

裁判において和解が不成立となり判決に至った場合においても、オーバーローン不動産が財産分与の対象となされず、共有名義のままで残存してしまった場合に関しては、離婚した当事者間の問題ではないのですが、東京地裁平成18年6月15日判決が参考になるものと考えられます。

この判決は、原告が離婚した元妻の妹である被告に対して、原告・被告が共有するする建物について共有物分割を求めた事案に関するものであります。

この建物は登記上は原告・被告が2分の1ずつ共有していますが、被告名義の住宅ローンの残額が建物の価額を上回っていました。

裁判所は、原告・被告の持分割合が3対7であることを前提に、建物を売却した場合に、ローン債務が残存すると考えられること、被告らとの対立から原告がこの建物に居住する可能性がほとんどないことを理由として、被告に建物全部を取得させる全面的価格賠償を採用しました。

さらに、その代償金の計算において、原告は「本件建物の基準額の算定においては住宅ローンの控除を行わず、本件建物の時価である3461万9256円とすべきである。」主張しましたが、裁判所はこの主張を認めませんでした。

その理由として、本件は離婚の際における財産分与と類似しており、「離婚の際の財産分与においては、通常、不動産の時価から債務額を控除した残額が財産分与に当たって考慮されるにとどまり、オーバーローンの場合ことに本件のように不動産を取得する側が債務をも全面的に負担する場合には、オーバーローンに係る不動産については、財産分与に当たって考慮されないことを考慮すべきである。」と判示して、原告の請求額よりも大幅に少ない100万円を代償金として定めました。

現金が少ない場合の財産分与の進め方は?

財産分与は、婚姻期間中に夫婦が協力して築き上げた(実質的)共有財産を離婚の際に清算するものでありますから、その(実質的)共有財産が残っていなければ、そもそも財産分与の請求することはできません。

その財産(プラス財産からマイナス財産を差し引いた金額)が少ない場合はその金額を2分の1ずつ分配するしかないのが原則ですが、それでも「へそくり」や「タンス預金」などの隠された財産も見つかったばあいには婚姻期間中の共有財産として財産分与の対象となりますので、この点からも注意深く探索することが肝要かと考えられます。

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