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生活保護の受給条件はどのようにして決められるのか?

2016/09/04

近年、生活保護の受給者数が増え続けています。

厚生労働省の調査によると、2015年7月に生活保護を受給した世帯は前月より2,964増えて162万8,905世帯となり、受給者数は2,150人増えて、216万5,278人、3カ月連続で過去最多を更新したと発表しました。

失業者がいる世帯などは景気回復により生活保護から脱却する一方で、高齢独居世帯の受給が大きく増えていると分析しています。

生活保護とはどのようなもので、生活保護の条件としての最低生活費はどのようにして決められるのか?などについて考えてみたいと思います。

生活保護とは

生活保護とは生活に困窮しているすべての国民に対して、その最低限の生活を保障するために、困窮の程度に応じて国が地方公共団体を通じて保護を行う制度のことで、日本国憲法第25条(生存権=健康で文化的な最低限度の生活を営む権利)に基づいて制定された生活保護法によって生活扶助、教育扶助、住宅扶助、医療扶助、介護扶助、出産扶助、生業扶助、葬祭扶助の8種類の扶助から成るものです。

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生活保護の受給条件となる「最低生活費」とは

生活保護の支給額は「最低生活費」を基礎として計算されます。そのため、毎月支給される生活保護費のおおよそを計算するためには、まず自分の最低生活費を把握することが重要です。

ところがこの最低生活費は住んでいる地域、世帯人数などによって異なる他、母子家庭・障がい者には加算されたり、持ち家の有無、学校に通う子どもの有無、等によっても変わってきますので、決して簡単に計算できるものではありません。

さまざまな世帯の家庭環境に応じて、正確に「最低生活費」を支給する必要があるために、その計算が複雑になることは、ある程度仕方がないことですので、以下に述べる基本的な計算方法を踏まえつつ、最寄りの福祉事務所で相談して確認するとよいでしょう。

最低生活費は必要に応じて支給される合計額です

たとえば、小中学校に通う子どもがいる場合には「教育扶助」が支給されますし、持ち家がなく賃貸物件に住んでいる場合には「住宅扶助」が支給されます。

これらは当然、人によって支給される人と支給されない人があり、それによって最低生活費も変わってくるのです。

生活保護には次の8種類の扶助があります。

1、生活扶助=金銭給付ー生活保護の基本となる支給額で、衣食や光熱費日常生活費等支給されます。

2、住宅扶助=金銭給付ー賃貸物件に住んで家賃が必要な場合の支給額。自宅の補修費等も含まれています。

3、教育扶助=金銭給付ー小中学校等義務教育を受けさせるために必要な支給額

4、生業扶助=金銭給付ー就労支度金、事業の器具資材、技能習得、高校就学等用

5、介護扶助=現物給付ー要介護・養子縁組の認定を受けた人に、介護保険と同様の給付が受けられます。

6、医療扶助=現物給付ー国民健康保険と同様の薬、入院・手術等の現物給付が受けられます。

7、出産扶助=金銭給付ー被保護者が出産する場合に支給される扶助

8、葬祭扶助=金銭給付ー葬祭を行う場合に支給される扶助

これらの内「介護扶助」や「医療扶助」などは現物給付であるため、最低生活費の対象には含まれません。

また「出産扶助」や「葬祭扶助」は、日常的に継続して支給される扶助ではありませんので、一般の世帯において最低生活費に関わってくるのは、主に「生活扶助」「住宅扶助」「教育扶助」の3つになります。

このような最低生活費については、厚生労働省が細かい基準を定めており、また地域や世帯の事情などによって異なるため、各自治体の福祉事務所のケースワーカーが、その世帯の実情に応じて判断し、決定することになっているのです。

最低生活費に満たない生活保護の受給条件・求められること

生活保護は、世帯の収入が「最低生活費」に満たない場合に受けることができますが、その前提として、次のようなことが求められます(生活保護法第4条)。

1、資産の活用

資産を持っていないのが前提ですが、保有資産の活用が求められます。

イ、現金・預金=多額の現金・預金がある場合は、まずそれを生活費に充てることを求められます。最低生活費の半分程度までの少額の現預金であれば、保有していても問題ありません。

ロ、土地・建物=生活に利用していない土地・建物等の固定資産は売却するなどによって換金して、生活費に充てることを求められます。

自己所有の土地建物に居住中の場合は、そこに居住したまま生活保護を受けることができますが、物件の資産価値が著しく高い場合や住宅ローンの支払中である場合などには例外があります。

ハ、自動車=自動車は、古くて市場価値のないものであっても、多くの場合処分することを求められます。ただし障がい者が通勤・通勤に利用する場合や地理的条件・気象的条件の地域から通勤する場合などには、処分価値の自動車であれば、保有することが認められます。

2、稼働能力の活用

働けないのが前提ですが、稼働能力の活用が求められます。

おおむね65歳未満の健康な人に対しては、まずは働いて収入を得るように求められます。しかしながら、現今の社会経済情勢のもとでは、若人でさえ就職するのは容易なことではありません。

就職活動をしているにもかかわらず職が見つからないなどの事情がある場合などには、生活保護を受けることができます。

また働いていても、その収入が「最低生活費」に満たない場合には、その不足する部分については生活保護を受けることができます。

3、他の法律や他の施策の活用

年金や手当など他の制度から給付を受けることができる人には、まずそれを活用することが求められます。それでも「最低生活費」に満たない場合には、生活保護を受けることができます。

4、扶養義務者の扶養

援助してくれる身内、親族がいないのが前提ですが、活用を求められます。

民法877条が一定の親族に扶養義務のあることを定めていることから、親・子・兄弟姉妹から生活費の援助を受けるようにという指導されることもありますが、このようなことを無理強いする指導は誤っています。

生活保護の申請をする際に、親族から生活費の援助を受けられない事情を説明し、福祉事務所から各親族に確認してもらえば良いことなのです。

まとめ

実際の生活保護申請の受付窓口においては、いわゆる「水際作戦」といって、あの手この手で申請を妨げるような助言や指導が行われることが多々見られ、申請者側は弱気になりがちで、正当な主張をすることさえ遠慮がちになることもあるのではないしょうか?

自分だけでは自信がない場合には、生活保護に強い弁護士や行政書士などの専門家に相談して、場合によっては申請に同行してもらうようにすることも一方法であると思います。

 

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