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親の借金を抱えている時の相続は?

2016/09/05

相続

相続は、亡くなった被相続人(親・親族)が有していた権利義務などの法律上の地位をすべて相続人が承継するのが原則であるために、被相続人が借金を抱えている時のその借金も相続の対象になるのが原則です。

親の借金も相続対象になるのが原則ということです。

 

相続するか放棄するかを慎重に判断する

つまり相続する被相続人(親・親族)の財産は預貯金・有価証券・株式・不動産といったプラスの財産(積極財産)に限られず、被相続人が生前金融機関から借り入れをしていたり、保証人になっていたり、住宅ローンの返済義務が残っていたりすることもありますが、これらマイナスの財産(消極財産)も含まれます。

このように相続が開始(被相続人の死亡と同時に開始します)すると、相続人は被相続人の財産のうち一身に専属する権利を除いた一切の権利義務を承継することになっているために、相続人が引き続き債権者から取り立てを受けることになります。

多少の借金なら何とかするとしても、多額の場合であれば相続財産のうち積極財産をもってしても払いきれない債務超過の状態に陥るリスクを負っていることになります。

親の借金はないにこしたことはありません。

単純承認は一切の債務を履行する

相続が開始したことを知った時から3カ月が経過したとき、あるいは3カ月が経過する前に相続財産の全部又は一部を処分したり、使用したり、故意に隠したり、「財産目録」に記載しなかった場合には、「単純承認」をしたものとみなれて被相続人が負担した一切の債務を履行する責任を負います

親の借金を全て引き継ぐことになります。

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借金が多ければ相続放棄も選択できる

しかしながら、被相続人が多額の借金をして相続財産が債務超過となるような場合において、相続人を救済するために民法が設けている制度が「相続放棄」です。

相続放棄は相続人が自己のために相続が開始したことを知ったときから3カ月以内に家庭裁判所に「相続放棄申述書」を提出して申述しなければなりません(民法915条)。

家庭裁判所への相続放棄の申述が受理されると、「相続放棄申述受理通知書」が送付され、その際必要な場合には同封されている「相続放棄申述受理証明書の交付申請書」によって「相続放棄申述受理証明書」を得ることができます。

従って、相続人は自己のために相続が開始したことを知ったときは、まず被相続人の借金や保証債務の有無やそれらの金額を調査し、この相続を承認するか放棄するかを判断しなければなりません。

なお住宅ローンなどで団体信用保険に加入していた場合には死亡と同時に残債務が消滅することになっているので保険会社に確認するとよいでしょう。

相続放棄は他に相続人がいる場合においても、限定承認のように相続人全員でする必要はなく、単独の意思で相続放棄の申述をすることができるのです。

親の借金が大きければ放棄しましょう。

熟慮期間の内に判断する

「自己のために相続が開始したことを知ったときから3カ月」の期間を「熟慮期間」といいます。この熟慮期間については、その相続財産の内容が複雑であったり、被相続人と相続人が疎遠であったため、容易に相続財産を把握することが困難なケースもあり、このような場合にまで相続人に原則通りの期間内に相続財産の調査を強いることは相続人に酷であり、相続人に適切な判断をする機会を奪うことになりかねないことから、相続人を含む利害関係人は特別な事情がある場合に限り、3カ月の熟慮期間内に、家庭裁判所に対して熟慮期間の延長を申立てることができます。

この場合における「特別な事情」についてはケ-スバイケースでさまざまな事情が考えられますが、上記のような3カ月の期間だけではとても相続を承認するか放棄するかの判断をすることが難しい事情を家庭裁判所に明らかにしていくことが必要になります。

単に判断に迷っていて3カ月の期間では決断しかねるという理由のみでは熟慮期間の延長は認めるべきではないとされています。熟慮期間の延長に必要な書類は、相続放棄の際に必要となる戸籍謄本等に加え、申立人の利害関係を証明するための書面も必要になります。

また相続放棄をした後にこれを撤回することは熟慮期間内であってもできないこととされており(民法919条1項)、その後になってその借金がすでに弁済されていたとか、免除されていたり、相殺されて債務が消滅していたというように、もはや借金はなくなっていたことが判明したとしても相続放棄を撤回することはできないので、相続を承認するか放棄するかを決定するには慎重な判断が求められることになります。

相続の順位を確認する

相続放棄をした者はその相続に関しては初めから相続人にならなかったものとみなされます(民法939条)ので、相続放棄をした者は借金などの負の遺産を背負い込むことがなくなるわけですが、相続人となることのできる者が複数存在する場合においては、まず相続放棄をしなかった同順位の相続人の持分に応じて移動し借金等債務を履行することになります。

また同順位の相続人がいない場合は、次順位の相続人が繰り上がって相続人となり、その者が借金等の債務を履行する責任を負うことになります。他の同順位の相続人・次順位の相続人のすべてが「自己のために相続が開始したことを知ったときから3カ月以内」に相続放棄をして相続人がいなくなった場合は、その相続財産は「相続財産法人」となり、利害関係人又は検察官の請求により家庭裁判所が選任する「相続財産管理人」が相続財産の管理・清算を行い、最終的に残余の財産があれば国庫に帰属することになります。

この場合相続放棄をした者は相続財産管理人に相続財産を引渡すまで相続財産を管理する義務を負います。

借金の負担を軽くする限定承認の制度の活用

なお相続財産のうち借金等のマイナス財産(消極財産)の方がプラス財産(積極財産)より明らかに多い場合や判明していない借金が残っている可能性が高いなどの場合においては、プラス財産(積極財産)の範囲内でマイナス財産(消極財産)を引き継ぐという限定承認の制度があり、これをしておけば相続したプラス財産(積極財産)より多いマイナス財産(消極財産)の部分については返さなくてもよいのです。

そして結果プラス財産(積極財産)の方が多かった場合はその財産をそのまま引き継ぐことができます。限定承認をする場合も相続放棄をする場合と同様に、自己のために相続が開始したことを知った時から3カ月以内に被相続人の住所地を管轄する家庭裁判所に申述しなければなりません。

ただし、相続放棄とは異なり、共同相続人の全員が共同してのみすることができるとされている(民法923条)ことから、共同相続人のうち1人でも限定承認に反対すれば、他の相続人も限定承認をすることができませんので注意が必要です。

ちなみに共同相続人のうち誰かが相続放棄をしていても、他の相続人が同意すれば限定承認の申述をすることができます。

実際に相続する場合には専門家に相談するとよいでしょう。

親の借金はないことを願います。存命中に解決しておくのが一番です。
相続ドットコム

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